厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」は10日の会合で、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬のオンラインでの処方を条件付きで実施できるようにすることを了承した。地理的な要因や心理的な状態によって対面診療が困難と判断された女性に対し、産婦人科医など限られた医師が緊急避妊薬をオンラインで処方することを容認する。厚労省は、こうした内容を盛り込んだ指針の改訂版を7月にも公表する予定だ。【松村秀士】
厚労省は2018年3月にオンライン診療の適切な実施を促す指針を公表したが、不明瞭な部分が多いなどの指摘を受けたことから指針を見直す。当初は、その改訂版を5月に公表する予定だったが、調整が難航したため、公表がずれ込む。
オンライン診療については、初診は原則対面で行うことが指針で規定されているが、10日の会合で厚労省が示した指針の見直し案では、一定の条件の下で「例外的な対応が許容され得る」と明記している。
緊急避妊に関する診療については、女性健康支援センターなどの相談窓口が、リストなどを用いて対面受診が可能な医療機関を緊急避妊の必要な女性に紹介した上で、対面診療を受けてもらう。ただ、その例外として、地理的な要因がある場合や、相談窓口の医師らが女性の心理的な状態を踏まえて対面診療が難しいと判断したりした場合は、初診からのオンライン診療による緊急避妊薬の処方を認める。ただし、それが実施できるのは、産婦人科医と厚労省が指定する研修を受けた医師に限定される。
それらの限られた医師は、オンラインで緊急避妊薬を一錠のみ「院外処方」することとし、研修を受講した薬局薬剤師が調剤して面前での内服を確認する必要がある。また、処方医と調剤する薬剤師は、より確実な避妊法を適切に説明するとともに、内服3週間後の産婦人科医への受診の約束を取り付けなければならない。
さらに、緊急避妊のオンライン診療を行う医師は、対面診療を医療機関で行うことができないかどうかを再度確認するほか、性的被害を受けた可能性がある場合には、心理面や社会的な状況などに配慮して支援センターなどを紹介し、適切な支援につなげる必要がある。
厚労省では今後、指定する研修を受講した医師と薬剤師のリストをホームページで掲載。また、初診からのオンライン診療による緊急避妊薬の処方に関する実態調査を実施し、適切に運用されているかどうかを確認する予定だ。
CBnews
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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