東京都は、2040年代までの長期防災計画を23日に公表した。都の各部局が個別に取り組んできた地震や風水害などの対策事業を初めて一つにまとめた。事業費は総額15兆円規模。このうち23年度からの10年分は6兆円規模で、13~22年度の防災関連事業費の1・5倍にあたる。
計画は「TOKYO強靱(きょうじん)化プロジェクト」。関係部局が目標を共有し、事業の実効性を高める狙いがある。起こり得る危機として、地震▽風水害▽噴火▽電力・通信の途絶▽感染症――の五つを挙げて被害想定や対策などをまとめた。
分類別に事業費を見ると、最大は「地震」の9兆5千億円。00年に強化された現行の耐震基準を満たさない木造住宅約20万戸を中心に耐震化を進め、19年時点で80%台後半と推計される都内住宅の耐震化率を40年代までに100%に引き上げる。達成すれば、死者総数約6千人などの被害を想定する都心南部直下地震(最大震度7)が起きた場合、建物の倒壊による死者を今の想定の16%の約500人に減らせると見込む。
「海面60センチ上昇」への対応は
木造建物の密集地域では建て替え支援などで不燃化を進める。これまでは必要性が高い重点整備地域(約3350ヘクタール)が中心だったが、今後はそれ以外の密集地域(約3千ヘクタール)でも対策を始める。
「地震」に次いで大きい「風…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル