総務省幹部らがNTT側から接待されたと報じられた問題で、総務省は8日、谷脇康彦・総務審議官と巻口英司・国際戦略局長が、少なくとも2018~20年に4回にわたって計15万円超の接待を受けていたとする調査の中間報告を公表した。同省は、国家公務員倫理規程に違反する疑いがあるとして、谷脇氏を8日付で大臣官房付に事実上更迭する人事も公表した。
総務省によると、2人は18年9月~20年7月に計4回、NTTの澤田純社長や関連会社の幹部らと会食。1回あたりの飲食費は1人約1万7千円~6万円で、谷脇氏は3回参加して1回だけ5千円を自己負担、巻口氏は1回参加して1万円を自己負担していた。
国家公務員倫理規程は、許認可や補助金を受ける事業者などの利害関係者に費用を負担される接待を禁じている。一定額を払っても、応分の負担になっていなければ接待にあたる。割り勘でも、飲食費が1人あたり1万円を超える利害関係者との会食は事前届け出が必要だ。
同省によると、2人は届け出を出しておらず、聴取に対し「相手を利害関係者と認識していたが、応分の費用負担をしたと思っていた」という趣旨の説明をしているという。
巻口氏が参加した昨年6月の会食には、当時の総務審議官だった山田真貴子・前内閣広報官も参加していたが、同省は、すでに退職しているとして調査対象に含めなかった。武田良太総務相は8日午前に緊急の記者会見を開き、「幹部職員である総務審議官が、公務に対する信頼を著しく失墜させる行為を行ったことは誠に遺憾。改めて深くおわびを申し上げる」と陳謝した。(豊岡亮、井上亮)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル