線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)の営業運行が25日、徳島県南部と高知県東部の16・1キロを結んで始まった。両県などが出資する第三セクターの阿佐(あさ)海岸鉄道(本社・徳島県海陽町)が運行する。同社によると、本格的な営業運行は世界でも初めてだという。
マイクロバスを改造した車両の前後には、鉄輪が1ペアずつ格納されている。線路を走る時は鉄輪をレールに下ろし、前のゴムタイヤは浮いた状態に。後ろのゴムタイヤが駆動輪となり、鉄輪と合わせて6輪で走行する。「バスモード」から「鉄道モード」への「モードチェンジ」は15秒ほどで、座席数18で旅客定員は21人。
鉄道区間は、従来はディーゼル車が走っていた阿波海南(海陽町)―甲浦(かんのうら)(高知県東洋町)の10キロで他はバス区間。16・1キロを毎日往復し、土日祝日は室戸岬(高知県室戸市)まで54キロの1往復が加わる。
この日は、始発バス停の「阿波海南文化村」(海陽町)前で発進式があり、乗客18人が乗り込んだ初便が午後0時36分に出発。初便に乗った兵庫県西宮市の会社員中原子龍さん(25)は「車内は完全にバスで、窓の外は線路というギャップに驚いた。世界でここでしか味わえないというのが一番いいところだと思う」と話した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル