線路を歩く高齢女性… 迫る電車から救った連携プレー

 名鉄の線路内に誤って入ったとみられる70代の女性を救助したとして、愛知県警南署は18日、名古屋市の保健師永田華奈さん(38)と社会福祉法人職員の竹原正明さん(60)=岐阜県可児市=に、感謝状を贈った。2人の適切な連携が救助を成功させたという。

 6日正午ごろ、名鉄名古屋本線鳴海8号踏切(名古屋市南区)で、電車の通過待ちをしていた永田さんの乗用車のすぐ前を、高齢の女性が横切った。「危ないな」。目で追うと、女性は警報器の脇から岐阜方面の線路に入った。永田さんは車から降り、救助に向かった。

 後続の乗用車の竹原さんも車を降りた。救助に向かう間、豊橋方面の電車が通り過ぎた。安全を確保するため、竹原さんは非常停止ボタンを押した。

 女性は線路を歩き続けていた。「突然大きな声を出すと、驚いて女性が動けなくなるかもしれない」。永田さんは、職場の研修で学んだことを思い出し、女性に近づき、顔を合わせてから声をかけた。「危ないですよ。こっちに来て」。女性は途方に暮れたようだったが、呼びかけには落ち着いた様子だったという。

 追いついた竹原さんが、女性の手を引きながら踏切の外に出た。気がつくと、踏切のすぐ手前まで電車が迫っていた。

 18日の感謝状贈呈式。竹原さんは「永田さんが丁寧に声かけをしてくれた」。永田さんは「竹原さんがボタンを押したおかげで安全に助けられた。女性が無事に帰ったと聞き、安心しています」と話していた。(山下寛久)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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