新型コロナウイルスの感染防止のため、一部の国のビジネス関係者などを除いて外国人の入国が制限されていた日本。 【画像】廃棄されてしまった5t以上のパクチー 10月1日からビジネスや留学など、中長期の在留資格を持つ外国人の入国制限が緩和され、入国時は抗原検査などを実施し、14日間の待機などが確約できる人が入国できることになった。 半年近く続いた入国制限の間、外国人を必要とする農家や日本語学校などはどんな状況だったのか。
新型コロナの影響を受けるパクチー農家
後継者や担い手不足が問題になっている日本の農業に、欠かせない存在となっている技能実習生。
新型コロナウイルスの影響で、来日できないケースが相次ぎ、農家を悩ませていた。 独特の風味から中華料理や東南アジアの料理などには欠かせない食材・パクチー。 農林水産省の地域特産野菜生産状況調査によると生産量は全国で537t(2018年)と、オリーブの543t(2017年)に並ぶ生産量となっている。 年々消費量が増えているパクチーだが、生産農家は苦境に追い込まれていた。
福岡・久留米市のパクチー農家・香月勝昭さん。
76棟ある農業用ハウスで、1日最大400kgを収穫する全国でも有数の規模の農家だ。 しかし、新型コロナによる外出自粛などの影響で、神奈川・横浜市の中華街をはじめとする飲食店が軒並み仕入れを減らしたことで、6月までの数カ月でなんと5トン以上を廃棄。損失は約1500万円にものぼり、影響は深刻だ。 香月さんは「2月から9割、3月で8割、4月で7割、5月で6割と、ずっと階段のように下がっている。6月になると半分以下になるんじゃないかと予測は立てている」と、厳しい状況を嘆いていた。
技能実習生の受け入れができず、人手不足に
さらに追い打ちをかけていたのが、働き手の不足だった。 現在、香月さんの農場で農作業を手伝っているのは、フィリピン人の外国人技能実習生6人。
7月末に新たに2人を迎え入れる予定だったが、新型コロナで入国を制限されていた。 技能実習生とは、東南アジアなどの外国人が最長5年間、日本で農業技術などを学ぶ制度で、現在、農林関係の実習生は全国で約3万人。 しかし、新型コロナの影響で、全体の1割近い2500人ほどが来日できなくなっている。 香月さんの農場で働く技能実習生も「私の後輩が日本に来られなくなった。みんな心配です。コロナありますから、少し大変です」と話す。 技能実習生の受け入れができないことで、先の見通しも立てられなくなると香月さんは戸惑いを隠せない。 「残ったパクチーがなくならないと、次の種がまけない。刈り取りの時期を過ぎてしまい、40~50cmになって規格外になってしまうと、商品価値は0になる。普段の業務にプラスで田植えがあったり、秋だと収穫があったりする。人がいないと仕事が回らなくなってしまう」 実習生の手助けを見越して収穫の計画を立てている農家にとって、人手不足は死活問題だ。
同様に留学生の為の日本語学校でも、受け入れるはずの外国人が来ないことで経営が苦しくなっている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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