近くでトラックが燃えているのに気づき、消火活動にあたったとして、名古屋市の天白消防署は3日、いずれも同市立の天白中と萩山中の野球部に感謝状を贈った。両校は当時、グラウンドで練習試合中だったが、息の合った連係プレーで火を消し止めた。
火災があったのは11月7日夕方。天白中のグラウンドで、2校が試合を始めて間もない一回表の時だった。
萩山中の三塁走者が、学校脇の道路でトラックから火の手が上がっているのに気づいた。両校は試合を中断し、顧問らがトラックに駆け寄った。
燃えたのは古紙回収車だった。荷崩れした古紙が高温のエンジン部分に落ちて出火し、荷台にも燃え移っていた。
天白中の小川祐平主将(2年)は「大きな火になったら大変だ」と倉庫に向かい、他の部員らとバケツを探した。
バケツやペール缶に水をくんだ両校の部員が次々とトラックに駆け寄った。萩山中の伊藤真白(ましろ)主将は(2年)は「普段のダッシュがいかせた」と振り返る。
顧問が水をかけ続け、3分ほどで鎮火させることができた。トラックが全焼するのを防いだ。
両校は試合を毎年組む「ライバル校」同士。天白中顧問の宇都翔太教諭(33)は「他校の先生の指示も聞き、正しい行動がとれた」。
杉本昭博署長は「(元中日ドラゴンズ選手の)荒木・井端の鉄壁の二遊間に匹敵する連係プレーだ」とたたえた。(柏樹利弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル