縄文土器をすべて逆さにして外底がよく見えるように並べた企画展が、茨城県石岡市の市立ふるさと歴史館で開かれている。その名も、「底だけ展」。「土器の外底を分析することで、縄文人の暮らしが見えてくるのです」。企画した学芸員はこう話す。その意味とは。
火山列島の日本では、酸性土壌のため、縄文時代の植物や織物などはほとんど残っていない。当時の人々の暮らしを間接的に知る手段として注目されているのが、土器の外底に残った痕跡だ。
企画展を担当する市教育委員会の金子悠人さん(26)によると、土器の製作過程で付着した動植物や敷物などの痕跡から、当時の生活様式が推察できる。従来は墨で痕跡の拓本をとっていたが、近年はシリコーンで型どりして調べる手法が広がってきた。痕跡を立体的に分析できるようになり、より多くのことが分かるようになったという。
市内には縄文時代の遺跡が1…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル