東山動植物園(名古屋市千種区)のアジアゾウ「アヌラ」(雌、19歳)の妊娠が確認された。ペアの相性や交尾を促すタイミングに左右されるため、施設でのアジアゾウの繁殖は難しいと言われている。2013年に同園で第1子を出産したアヌラ。科学的に体調を分析したことが、2度目の妊娠につながった。
9月末の放飼場で、アヌラが青草の束を鼻でつかんで口に運んでいた。傍らにはアヌラの子「さくら」(雌、8歳)が寄り添う。妊娠期間が21~23カ月と長いアジアゾウ。妊娠14カ月と中期にさしかかったアヌラだが、外見上の変化はまだ出ていない。
野生のアジアゾウは、雌と子どもが20~30頭規模の群れで行動する。成熟した雄は、これとは別に単独もしくは少数の群れで暮らしている。雌が発情期を迎えると、それを察知した雄が群れに近づき、交尾して繁殖する。
園でも同様に雌雄を分けて飼育している。年に3~4回、雌が排卵するタイミングが発情期にあたる。繁殖のためには、この時期に同居させ交尾につなげる必要がある。
アヌラがさくらを産んだ8年前、その妊娠発覚は想定外だった。
さくらの父親は当時8歳の「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル