大滝哲彰 小島弘之 樫村伸哉
震度6強の地震があった石川県珠洲市などに発令されていた大雨警報は8日午前、解除された。珠洲市役所では同日、住宅などに被害を受けた市民向けに、罹災(りさい)証明書の申請受け付けが始まった。多くの人が窓口に列をなし、書類を受け取り、申請方法などの説明を聞いていた。
三崎町二本松の大崎博さん(55)方では畜舎が倒壊し、トラクターや農機具が下敷きになったままだという。建物やがれきの撤去費などで補助を受けることを見越して、「(証明書を)取っておいた方がいいと思った」と話した。蛸島町の70代女性は自宅が傾き、居間のドアが開かなくなったという。「証明書が何かの役に立てばいいけど」と不安そうだった。
8日朝までの48時間雨量は珠洲市115ミリ、輪島市145ミリ、金沢市147ミリと5月の観測史上最大を記録。気象庁は引き続き、土砂災害への注意を呼びかけている。
珠洲市は「土砂災害警戒区域」の約740世帯1630人に避難指示を出していたが、8日夕に解除した。泉谷満寿裕市長は「避難が長引く方、家に住めない方々へのケアに加え、震災がれきの処理も早急に進めなくては」と語った。
7日現在の県のまとめによると、被災した珠洲市内の建物930棟の「応急危険度判定」で、「危険」が139棟、「要注意」が213棟あったという。「問題なし」は578棟だった。金沢、白山、小松の3市と国土交通省からの応援を受け、8日以降も応急危険度判定士の資格を持つ26人態勢で調査する。「危険」は赤色、「要注意」は黄色、「問題なし」は緑色のステッカーを玄関先などに貼っているという。
応急危険度判定は地震で被災した建物の余震による二次災害を防ぐため、危険度を迅速に判定する仕組み。(大滝哲彰、小島弘之、樫村伸哉)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル