美容やがんの治療などをうたった再生医療について、厚生労働省が事前審査の実態調査を始めた。審査時の説明と実際の治療が異なる例などが相次いでおり、専門家による「審査の質」にばらつきがあると指摘されていた。
再生医療は、細胞や遺伝子などを体に入れて機能回復を目指すもの。厚労省によると、2018年度に報告されたのは3870件。自身から採取した血小板を使って顔のしわやたるみをとる「PRP注射」や、がん免疫療法をうたうものなど比較的リスクが低い「第3種」が約94%を占める。
こうした医療をする医療機関は、法律に基づいて第三者の審査委員会で事前に審査を受ける必要がある。委員会は、病院の開設者や学校法人、特定非営利活動法人などが設立できる。医学や科学、法律などの専門家のほか、一般の人も入れることが義務づけられ、設置者と利害関係がない人も加える必要がある。
iPS細胞などリスクの高い計画を対象にする「特定認定再生医療等委員会」が56カ所、比較的低リスクのものを審査する「認定再生医療等委員会」は96カ所(いずれも昨年10月末時点)あり、医療機関はどの委員会でも審査を受けることができる。
ただ、iPS細胞を使うなどリスクの高い一部の再生医療以外は、委員会が認めれば国に計画を提出するだけで実施できるため、福岡や兵庫などで事前の審査内容と異なる治療をしていた例が出ている。
昨年10月には、大阪医科大の…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル