東京都心の低空を通る羽田空港の新飛行ルートが3日、初めて本格的に使われた。政府は羽田の発着を増やして多くの外国人客を呼び込みたい考えだが、この日は新型コロナウイルスの影響で欠航が相次いだ。騒音などに対する住民の懸念もくすぶり続ける。
都心低空ルートは、南風が吹く夕方の最大3時間使われる。新宿、渋谷、品川、大井町などの上空を通り、東側のルートは2分間隔、西側は4分強間隔で着陸する。3月29日に始まる予定だったが、北風の日が続いたため、北風時に北向きに離陸して荒川沿いを上昇するルートの運用だけが始まっていた。
高度は新宿で約900メートル、品川で約450メートル、大井町で約300メートルとなる。1時間あたりの発着数が現在の最大80回から90回になり、ほかの運用見直しも加えて年最大3・9万回増えると試算されている。
住民の最大の懸念は騒音だ。国土交通省はそうした声を受け、2月上旬に試験飛行をして騒音を測定。機体の大きさを踏まえて地点ごとに集計したところ、中小型機を中心に約2割で想定より1~3デシベルほど大きな値が出た。想定通りが約6割で、想定以下は約2割だった。「今後、想定を著しく上回る結果が出てきた場合は、必要に応じてさらなる騒音対策をしていく」としている。
ただ3月27日には、試験飛行を機に新ルートを問題視するようになったという港区などの住民約30人が運用改善を求める要望書を国交省に提出。「予想を超える騒音に生活の安全と質が脅かされると感じた」などと訴えた。ほかの市民団体も、署名を集めるなどして見直しを呼びかける方針だ。
新ルートではまた、騒音対策と…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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