アドバイスや資料を求めれば、世界中のインターネット空間から資料を探し、日本語に翻訳して答えてくれる「ChatGPT(チャットGPT)」。機械翻訳のアプリも進化し、あらゆる言語をリアルタイムで翻訳してくれる。もはや、英語を学ぶ意味はあるのか。言語教育を研究する京都大の金丸敏幸准教授は「必修だった英語が選択式になる。そんな時代がここ数年で来るかもしれない」と話す。
「英語は必修でなくても」 議論が加速
――英語を学ばなくてもいい時代が来たのでしょうか。
英語の基礎は大事です。引き続き、小中高での学習は続くと思います。ただ、「大学で英語を学ぶ意味があるのか」「必修科目でなくてもいいのでは?」という議論が、一部の大学で始まっています。
機械翻訳が社会に浸透した2年前ごろから議論はあったのですが、チャットGPTの登場で加速しています。
――チャットGPTと機械翻訳は何が違うのでしょうか。
大学で英語を学ぶ意味は、論文を書いたり、読んだり、自分の研究成果や意見を表現することです。
機械翻訳は、人間が入力しないと始まりません。膨大なネット空間から海外の資料を探す作業は人間の役割です。だからこそ英語学習の余地がありました。
ただ、チャットGPTは、アイデアや論旨の組み立てまでもやってくれる。専門的な資料も探してくれる。
――確かに、「英語学習の意味は?」と聞けば、「コミュニケーションスキルを高めるため」と答え、さらに「根拠となる論文は?」と追記すれば、いくつかの英語論文を提示してくれる。「英語を学習する意義を論文にして」と打てば、数秒で原稿用紙2枚分の答えをくれて、翻訳もしてくれます。
はい。チャットGPTの答えが自分の考えと同じか、正しく書かれているのか、人間はそれを確認すればいい。つまり、英語の基礎がわかっていれば、大学で勉強するような専門的な英語は必要なくなってくるのではないでしょうか。
――中学や高校の英語教育にも影響はあるのでしょうか。
問い直される「受験のための英語学習」
大いにあると思っています…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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