高齢になっても働くのが当たり前――。そんな時代の足音がひたひたと聞こえます。年金や貯蓄だけで足りるのか。人生終盤への不安が足元に忍び寄る今、働き続けるお年寄りは珍しくありません。国全体を眺めても、人口減少による現役世代の激減を前に、政府は「一億総活躍」という言葉で高齢層を労働力に繰り入れようとしています。私たちの人生から「老後」という時間が消えていくのでしょうか。「老後レス時代」の生き方を考えます。
「数十年先の老後のことを思うと怖くてたまらない。のたれ死ぬしかないんでしょうか……」
引きこもり経験のある30代の女性は、そう語った。
「年金だけでは施設に入ることも不可能。自分は孤独死するだろう」「安楽死施設を開設して欲しい」
30代後半から40代前半の非正規雇用につく単身女性たちを対象にした調査では、老後について、こんな回答が寄せられた。
老後が怖い。
喜ぶべきことであるはずの長寿化が不安をもたらし、人生最大のリスクとなる。そんな社会に私たちは生きている。国民生活基礎調査によると、全世帯中、年収300万円未満が全体の3分の1を占めている。また、国民の9割近くが「老後に不安」を感じているという調査結果もある。
老後資金の2千万円不足問題が…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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