老病死の不安を軽くするため、託せる相手を見つける

シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん

 自分で死に方を選べるならば、病状が徐々に悪化していく病死より「ぽっくり死」が人気です。2017年におこなわれたホスピス財団の調査では、60、70代の8割以上がぽっくり死願望を持っていました。ところが、「いつ、ぽっくり逝ってもいいか」と問われると、「今日はイヤ」というのが、大半の人の本音です。

 一方、亡くなったのに何日も発見されない死を「孤独死」や「孤立死」と呼びますが、その多くは突然死です。ひとりで自宅にいるときに突然死する可能性は誰にでもあります。同居する人がいても、すぐに気づかなかったというケースは少なくありません。

 1年前、友人の父親が突然死しました。三世代同居でしたが、共働きの友人夫婦と、学生の子どもたちが出かける日中、父親はひとりでした。その日はたまたま、お昼前に自宅にやってきたお手伝いさんがテーブル上にひとり分の朝食が残っていることに気づき、部屋を見に行ったところ、ベッドの中で冷たくなっていたそうです。発見は死亡推定時刻から15時間ほど経過していました。

 ちょうどコロナ禍で、子ども…

この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り:1141文字/全文:1641文字

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment