抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌により国内で年間8千人以上が亡くなっているとの推計を、国立国際医療研究センター病院のグループがまとめ、5日公表した。耐性菌は世界的な脅威になっているが、国内での推計死者数が示されたのは初めて。
今回は血液に細菌が侵入して起きる菌血症での2種の耐性菌を調べた。耐性菌が問題になる重い感染症は肺炎や髄膜炎など他にもあり、全体の死者数はさらに多いとみられる。
感染症を起こす細菌は様々な種類があり、特徴に合わせて抗菌薬も数多く開発されている。しかし薬を使うほど菌は耐性化しやすく、治療で重要な抗菌薬が効かない耐性菌の拡大が問題になっている。米国では、年約3万6千人死亡していると見積もられ、対策をとらなければ世界の死者は2050年に年1千万人に達するとの推計もある。
国内でも政府が16年に行動計画を作り、耐性菌対策に取り組んでいる。ただ、どのような病気でどの程度死亡しているか、詳しくわかっていなかった。
グループは、医療機関でよく見…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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