神奈川県職員だった男性=当時(37)=が自殺したのは長時間労働に伴う過労やパワーハラスメントが原因として遺族が県に損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしたことについて、黒岩祐治知事は21日の定例会見で、「私も子を持つ親。彼を守り切れなかったことを心からおわびしたい」と言葉を詰まらせながら語った。
訴状などによると、男性は2013年11月に知事室に配属され、イベント企画や動画作成などを担当。直属の上司から怒鳴られることが多く、16年4月に異動した財政課では6カ月連続で時間外勤務が100時間を超え、同9月にうつ病を発症した。同11月に県庁近くの施設で自殺した。
知事は「私個人の思い」と前置きした上で、「よく知っている職員。彼の笑顔しか、私の記憶には残っていない」。男性の母親が提訴に踏み切ったことには「謝罪の気持ちが伝わっていないとすれば、心から反省したい」と語った。
県は17年2月以降、過労死ラインとされる「月80時間超の職員ゼロ」を目標の一つに掲げる。知事は「減ってはいるが、まだ道半ば」としながらも「働き方改革に強い決意で取り組むことが、彼の死を無駄にしないためにやれることだ」と強調した。
また、男性に対するパワハラの有無については、弁護士や大学教授ら第三者で構成する県の不祥事防止対策協議会で調査する意向を示した。
神奈川新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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