北海道江別市の認定こども園「若葉幼稚園」(園児約100人)で、同園を運営する江別キリスト教学園の理事長から「セクハラ被害を受けた」と複数の職員が訴えている問題で、職員で結成した札幌地域労組若葉幼稚園支部(組合員15人)の組合員が5日夕方、江別市内で会見した。職員らが「度重なるセクハラ行為で心的被害を受けた」として、理事長を懲戒解雇処分にするように求めた。
会見にはセクハラ被害を受けたという4人の女性職員が出席。「理事長室で握手した手を引っ張られ抱きしめられた。腰までいくこともあった」「階段の踊り場で抱きついてこられそうになった」とセクハラ被害を生々しく証言した。
会見に出た4人の職員のうち3人が雇い止め通告を受けている。労組は席上、職員に抱きついたとして理事長が今年初め、札幌簡易裁判所から10万円の略式命令を受けたことを明らかにした。その直後から相次ぎ雇い止め通告を受けており、会見した職員の1人は「口封じのための解雇ではないか」と語った。
育児休業中にもかかわらず、雇い止め通告を受けたという職員は「子どもが好きなのでセクハラに耐えても働きたいという思いだった」と話す。
これまでに退職者を含め9人がセクハラ被害を訴えており、労組結成を支援した札幌地域労組の鈴木一副委員長は「職員40人ほどの園の9割が女性。被害を受けた人はもっといるのではないか」と話した。
労組によると、理事長によるセクハラ行為は2021年夏ごろから始まり、理事長の親族が園内で働き始めた23年1月ごろまで続いたという。
理事長は退任する意向を園内で表明しているというが、労組は江別キリスト教学園の理事らに対し、理事長の懲戒解雇処分を求めたほか、被害者に対する謝罪と補償、再発防止策を講じることを要求している。
会見の最後に職員の1人は「大切なお子さんを預ける保護者の方には心配をおかけして申し訳なく思っています。子どもたちとの時間を大事に考えています」と話した。(堀篭俊材)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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