専業主婦から50代の電話番アルバイトを経て、大ホテルの副支配人になった薄井シンシアさん(62)が、この春社長になりました。「専業主婦だったから今がある」と話す薄井さんは、「育児と仕事は同時でなくていい」と言い切ります。
「学食のおばちゃん」から復帰
「その件は私が対応するから」
テキパキと部下に指示を飛ばす。トレードマークのシックな黒いワンピースとショートヘアは、5年前に初めて会ったときと変わらない。違うのは足元だ。昔は黒いパンプスだったのが、真っ赤なスニーカーに変わっていた。
薄井さんは出産を機に、30歳で専業主婦になった。17年間家事と育児をこなしながら、アフリカや東南アジアなど、外交官の夫の勤務地に帯同。娘の大学進学を機に、以前の駐在先のタイで「学食のおばちゃん」から社会復帰した。日本に帰国したときには、52歳になっていた。
日本での就職活動は、主婦生…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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