佐野楓 岡戸佑樹
何か一つでも、見つけたい。家族のため、事故を忘れないためにも。
北海道・知床半島沖で起きた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故から23日で1年。民間捜索ボランティアに参加する救急救命士、中島圭一さん(37)の思いを支えるのは、あの日抱いた強い使命感だ。
真っ白な頭蓋骨(ずがいこつ)が、岩と岩の隙間にはさまるように、じっとしていた。
《ずっと誰とも会わずにこんな所に1人でいて、寂しかったね》
中島さんは心の中で、そう語りかけた。
事故から4カ月が経とうとしていた。
1人も生存者がいない現実に体が震えた
中島さんが参加した捜索ボラ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル