「社説のいうとおり、能登の復興が、東日本大震災の反省を踏まえたものになるのかどうか、とても重要な問題だと思います」
4月1日配信の社説「能登の復興 東日本の教訓を生かす」に、地域活動家の小松理虔(りけん)さんは、こうコメントした。
社説では、能登半島地震の発災3カ月に合わせて石川県が公表した復興プランの骨子案を紹介。官と民、被災地と被災地外の人々が協働する仕掛けが不可欠だとの視座を大切に、復興プランを練り上げるのが望ましいと指摘した。そのためにも、ともすればインフラ整備が過大になった東日本大震災後の復興政策の教訓を、改めて思い起こしたいと論じた。
小松さんは社説に賛同。東北とは切り離して考えた方がいい問題もあると前置きしつつも、今後、能登をめぐるさまざまな復興計画が出てきた際には、「それだけを取り上げるのではなく、東日本大震災の実例や課題と比較した記述にしていく必要がある」と訴えた。
また、東日本大震災や能登半島地震を経験した記者や研究者、被災住民、復興の担い手同士の対話も重要になってくるのではとして、「知見の共有を図るような場をつくることも新聞社にはできる」と提言した。
一方で、メディア自身の教訓と課題も「改めて思い起こしたい」と注文をつけた。災害取材のあり方や被災地の取り上げ方など、東日本大震災で蓄えられた知見が「能登の取材で生かされているのか」と問いかけ、「折に触れて議論を展開してもらいたい」と求めた。
コメントの最後で小松さんは、災害や復興について考えることは「かつて起きた被災」を考えることになる、とも強調した。
「それが『風化に抗(あらが)う』ことや『伝承』にもつながります」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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