東京都世田谷区の楽天本社で4日、石川県の高校生らが、能登の特産品販売やメニュー提供などを社員らに向けて行った。被災後に地元の高校生らが立ち上げた「のと中高生 復興プロジェクト(のとプロ)」を知った同社が、生徒を招待した。
「のとプロ」の発起人は、当時県立輪島高校2年だった久保穂乃佳さん(16)。帰省先の祖母宅で被災し、家はほぼ全壊。被災直後は「何もできない無力感やもどかしさがあった」が、「若者が復興に向けて行動することで、能登の未来に希望を持ってもらいたい」と、プロジェクトを立ち上げた。
現在、のとプロには10代を中心に27人の若者らが参加。被災地の炊き出しに参加したり、オンラインミーティングで、今後の取り組みを話し合ったりしているという。
この日は同社の食堂で、能登特産品の飲料や入浴剤などを販売した。久保さんは「このような機会をいただけてありがたい。能登には地震のイメージがついてしまったが、全国の人に能登を知ってもらうことで、能登を元気にしたいし、自分たちも元気になりたい」笑顔で語った。
同社員の矢崎花和(はるな)さん(23)は、甘いしょうゆが特徴のご当地メニュー「金沢手羽先弁当」を味わった。「石川を近くに感じることができた。若者の『かわいそうと思われたくない』という前向きな考えも知った。これからも能登に触れるきっかけを増やしたい」と話した。(中村英一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル