久保智祥 波絵理子 島脇健史 池田良
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県は29日、被災地の停電が1月末までにおおむね解消されるとの見通しを発表した。発災から1カ月を前に、重要インフラの一つの復旧にめどが立った。
県や北陸電力などによると、発災後の停電は最大で約4万戸に上った。約2600本の電柱が傾いたり折れたりし、電力各社の応援を含む1千人以上の作業員が復旧作業にあたってきた。
29日午後7時現在も輪島市、珠洲市を中心に6市町の約2700戸で停電が継続している。ただ、道路の寸断で復旧に時間がかかる沿岸部や山間部の一部地域を除き、今月末に解消する見通しという。
同県の馳浩知事は29日の記者会見で「被災者のいる場所には、おおむね電力が供給される態勢になった」と述べた。
被災後、初めてともった玄関の明かり
29日に北陸電力などが報道各社に公開した輪島市の復旧作業現場では、高さ約12メートルの電柱がいくつも傾くなか、作業員が電線の支柱の修理や被災した住宅の通電作業にあたった。
大工の沖崎建夫さん(68)の自宅では発災後初めて、玄関の照明がついた。沖崎さんは「電気がつくと一安心。あとは水」と話した。
停電の復旧の一方、断水は約4万2千戸で続いており、被災地の大きな課題となっている。
また、石川県は29日、地震による死者が珠洲市で2人増え、計238人になったと発表した。
この日、一時は約3万4千人に上った体育館や集会所などの「1次避難所」の避難者数が初めて1万人を下回った。応急仮設住宅は31日に初めて、18戸が輪島市で完成する見込みとなった。(久保智祥、波絵理子、島脇健史、池田良)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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