石川県内で、能登半島地震の影響とみられる人口流出が進んでいる。1日に発表された県のまとめによると、被害が甚大だった6市町で、1月の転出者が前月と比べて大幅に増加しており、輪島市では前年同期と比べて6倍超だった。
「転出が前年同期と比べ3倍以上だ」
2月22日にあった県の災害対策本部員会議にオンライン出席した穴水町の吉村光輝町長は、こう切り出した。
県のまとめなどによると、1月の転出は穴水町で37人。前月の16人の2倍以上で、前年同期の10人に比べても3倍以上だ。町の担当者も転出の多さを肌で感じており、「地震の影響ですね。家が全壊するなどして金沢市や県外に出られる方が多い」と話した。
人口流出が最も多かったのは輪島市の180人。こちらも前月の53人の3倍以上で、前年同期の29人に比べると6・2倍だ。市の担当者は「地震の影響がほとんどだと思います。転出も死亡も多い印象」と話した。
このほか、七尾市178人(前月99人)、珠洲市112人(同22人)、志賀町72人(同24人)、能登町68人(同29人)で、6市町では、いずれも転出が転入を大幅に上回った。。
死亡は輪島市92人、珠洲市29人、七尾市106人、穴水町29人、能登町50人、志賀町43人だった。
県内全体でみると、総人口は110万6278人で、前月に比べ1570人の減少となった。
県統計情報室によると、1971年4月の調査開始以来、県内全体で死亡者数と、出生から死亡を差し引いた自然減少が過去最大で、転入から転出を差し引いた社会減少も1月では過去最大という。担当者は「転出が多く出ているのは地震の影響かと思われるが、はっきりした要因は分析していないため分からない」と話した。(波絵理子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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