石川県能登町の海沿いにある鵜川地区。2日午前に記者が15分歩くだけでも、少なくとも10軒以上が倒壊していた。通りの両側の家が倒壊して道をふさぎ、倒れた家の前で立ち尽くす人もいた。
傾いた家の前を片付けていた30代女性は、「どこかの大地震の再現VTRを見ているような揺れだった」と嘆いた。
避難所になっている町立鵜川小学校は、入り口の前に地割れが起きていた。同校には約380人が避難。町内に住む女性(71)は「食料や飲み物はあるが、水が止まっているので手も洗えない。まずは水が復旧してほしい」。仮設トイレを設置しているが、避難所にいた町職員は「受水槽から水をひくなどしているが、いつまでもつかわからない」と話していた。
能登町と隣接する穴水町では、のと鉄道穴水駅周辺の住宅が倒壊し、一帯は停電。2日午前5時ごろ、駅から約3キロの高台にある穴水消防署には車中で一晩を過ごしたとみられる人たちが集まり、毛布をかぶったり防寒着を着込んだりして、寒さに耐えながら車内で物資を待っていた。
町内にある辺津比咩(へつひめ)神社は、石造りの鳥居が片方の柱を残して倒壊。石造りの柵や灯籠(とうろう)なども倒れ、直径50センチほどの大きな石が散乱していた。
周辺のコンビニやスーパーは営業しておらず、食料不足も懸念される。町内の飲食店「八幡のすしべん此木店」では、店内から食料品を消防団員が運び出し、避難所がある穴水消防署へ運んでいた。店の男性は「店にあるものは避難所に提供したい」と話していた。(土井良典、林敏行)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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