午後5時45分。山と空の境が分からなくなった頃、その日の捜索活動は打ち切られた。泥にまみれ、肩を上下させる消防隊員の吐く息が、投光器に白く浮かび上がった。
能登半島地震の発生から1カ月。石川県輪島市市ノ瀬町では、山頂から崩れ落ちた土砂に住宅が押し流され、男性1人と連絡が取れていない。雪や雨でぬかるんだ土砂は、捜索する消防隊員をひざや腰まで泥に沈め、作業をより難しくする。県内の安否不明者は15人。全国各地から集まった警察や消防による捜索が、今日も続く。
兵庫県警の小長谷龍椰(こながやたつや)さん(25)は、阪神大震災を経験して警察官になった父の背中を追い、警官に。「1分1秒でも早く、見つけてあげられたら。震災の時の恩返しをするためにも力になりたい」(関田航)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル