今年デビュー11周年を迎えたももいろクローバーZ。人数の増減はあったが、10年以上、同じメンバーで活動を継続している数少ない女性アイドルグループの一つだ。ボーカルだけでなくピアノやギターもこなす“ももクロの若大将”玉井詩織は「今のメンバーとは人生の半分以上を一緒に歩んできている。ずっと変わらず仲がよくて、ネバーランドみたいだと思う時があります」とリラックスした表情を見せる。
ことし秋に開催される「横浜音祭り2019」では、神奈川フィルハーモニー管弦楽団らと一緒に「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2019」に出演。現役高校生たちと「青春賦」「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」を披露する。「青春賦」はメンバーが主演し、高校の演劇部を描いた映画「幕が上がる」の主題歌だ。「私たちは高校を卒業して数年たっている。現役高校生たちの若さで、青春賦に新しい光を与えられたら」といたずらっぽく笑う。
小学4年生の時にスカウトされたが、もともと歌手になることを志していた訳ではなかったという。「学校に通いながら週末にライブをし、お客さんの生の反応を感じながら成長してきた」と振り返る。「さだまさしさんに、歌はうまく歌わなくていい。うまく歌おうとすると自分たちの良さが出ないよ、と言われたことがある。今でも正直、歌うのが得意とはいえないけれど、私たちにしか出せない何かを伝えられれば」と話すが、さまざまな作家から提供されたバラエティー豊かな曲を、確実に自分たちのものにして表現する実力は高く評価されている。
ソロでは女優としても活動。アクロバティックな技が見どころの舞台「マッスルファンタジー」では器械体操の経験を生かして活躍している。アクションを自らこなす女優にあこがれており「もっといろいろな技を習得していきたい」と目を輝かせる。「衝撃を受けたのは堂本光一さんの『エンドレス・ショック』。ステージで輝いていて、かっこいいなと思いました」
最近のミュージックビデオの中では少し大人っぽい魅力も見せているももクロ。「私たちのイメージは元気やがむしゃら感。それは今でもあるし、自分たちでも変わったつもりはないけれど、いい意味で年相応の姿が自然と出てきているのかもしれません」。素直に努力を重ねる姿勢が、各分野での活躍の基盤になっているようだ。
◆たまい・しおり
ももいろクローバーZのメンバー、女優。グループでのイメージカラーは黄色。1995年生まれ、神奈川県出身。2015年の映画「幕が上がる」ではメンバーの演技が認められ第40回報知映画賞、特別賞、第39回日本アカデミー賞の話題賞などを受賞。女優としてはNHKのドラマ「女子的生活」(18年)などにも出演。
「横浜音祭り2019」の「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2019」追加公演は横浜みなとみらいホールで11月1日午後2時半開演。S席6千円など。一般販売は8月1日午前10時から。横浜音祭りチケットセンター(神奈川芸術協会内)電話045(226)5080。
◆記者の一言
学業と芸能活動の両立はハードだったのではないかと聞くと「学校が終わってから現場に来るのがルーティンだったから、大変さはあまり感じなかった」という。「周りにみんながいた方が集中できるタイプ。メンバーに宿題を手伝ってもらうこともありました」
「学校を卒業した後、仕事が入らず暇になったらどうしよう」という不安は杞憂(きゅう)に終わり、忙しい日々を過ごしている。横浜出身のメンバーもいるため「休みの日はみなとみらいを散歩したり中華街で大好きな小籠包を食べたりして過ごすこともあります。ビル群と海や緑のバランスが好き」。こんなにキラキラしたオーラを放つ女子たちがみなとみらいを歩いていたら振り返って見てしまいそうだが、貴重なオフの日。そっとしておいてあげてください。
神奈川新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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