中学2年生の矢坂晟太郎(じょうたろう)さん(14)は、ラーメン店に入ったことがない。レストランでパスタやケーキを食べたこともない。小学校からは特別な給食を食べているが、幼稚園では給食を食べられず、母親手作りの弁当を持参した。
昨年の夏休み。学校の課題の中に、弁当作りや料理に取り組んだ体験の作文の提出があった。
矢坂さんは“料理男子”ではない。そこで、幼稚園に持っていっていた弁当を再現して、作文を書くことにした。
メニューは、好物や自宅の畑で採れた野菜を中心に決めた。メインの鶏の竜田揚げは、しょうゆではなく塩こうじで味付け。
ホウレンソウのごまあえには、みそとみりんを使用。ジャガイモとニンジン、糸こんにゃくの煮物はかつお節から取っただしを使い、みそや三温糖、料理酒で味を調えた。
ほかに、塩昆布を混ぜたキュウリの浅漬け、豆腐とワカメのみそ汁も。母親の指導を受け、すったもんだしながら2時間ほどで完成させた。
しょうゆや顆粒(かりゅう)だしを使わなかったのは、食物アレルギーがあるから。小さいころは小麦と卵を完全に除いた食事をとっていた。
記事後半では、矢坂さんが書いた作文の全文を紹介します。
みんなには内緒のダブルバーガー
通っていた幼稚園は毎月、給食の献立表を各家庭に配っていた。母親はそれを見て、似たメニューを弁当に詰めてくれた。
パンの日は、米粉でできたホ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル