いい大学に入り、いい就職をする。そんな親の期待に応えようとしていた13歳のとき、心が折れた。16歳のときには、いじられキャラが限界に来た。中学校と高校で不登校を経験した新潟市の三井田(みいだ)和人(かずと)さん(18)は今、スクールカウンセラーをめざす。17歳のときに手に入れた「居場所」が道を開いた。
小6のときの習い事は週7コマ
小学5年生から学習塾に通わされた。そろばんやテニスなどの教室にも通い、6年生になると習い事は週7コマになった。
日曜以外は休みなし。「少し減らしたい」と訴えても、「忍耐力を養うために続けなきゃダメだ」と退けられた。
一言が重い父親と、心配性の母親。2人きょうだいの長男で、かわいがられる一方、強い期待をかけられた。
中学校でのテストの成績は、220人ほどいる学年で30~70番を上下していた。さらに上を期待されている中で、2年生の2学期は90番台に落ちた。それでも、親の機嫌取りで勉強しているだけだったので、悔しさは感じなかった。
沼にはまるように不登校が長引いた
それが態度に出ていたらしい。11月のある日の夕食後、自室の学習机脇のベッドでくつろいでいるときだった。
親が部屋に入ってきた。「悪い点を取ったら普通は勉強するものだ。何でそんなに普通でいられるんだ」。激しく叱られた。体の震えが止まらず、気持ちがプツンと切れた。
「もういいや」…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル