自宅療養者へ「赤の他人がご飯置きに行くよ」 空気変えたくて

 新型コロナウイルスの感染がわかっても病院や宿泊療養施設に入れず、増え続ける自宅療養者。各地で当初の想定を上回り、自治体からの食料配達も滞りがちだ。そんななか、自主的に食料などを届ける動きが、SNSなどで広がっている。コロナ禍で殺伐とする空気を変えたい――。そんな思いが共感を呼んでいる。

原動力は「怒り」

 「何か買って持って行こうか? 家の外に置き配ならできそう」

 メッセージ性の強い作風で知られる神奈川県横須賀市のシンガー・ソングライター、七尾旅人さん(42)はツイッターで8月22日、こう呼びかけた。その4日前、東京都内で親子3人が感染し、母親が自宅療養中に死亡したというニュースを知ったことがきっかけの一つだった。

 「ずっとコロナ禍で抱えてきた怒りが原動力になった。本当は公助を求めるべきですけど、機能不全を起こしている。今この瞬間も追い詰められている人がいるから、1人であっても動きたい」。そう感じた。

 当初は、地元の周辺を配達の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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