自己肯定感高すぎネタの山井祥子さん 「本当に身についていれば…」

 「自己肯定感」という言葉を近年、盛んに見聞きします。自己肯定感とは何なのか、それが「高い」とはどういうことなのか。「自己肯定感が高すぎる美容系YouTuber」などのネタで人気のお笑いコンビ・エレガント人生の山井祥子さん(29)と、この不思議な言葉について考えました。

エレガント人生

 山井祥子さん(29)と中込悠さん(34)の男女コンビ。2020年結成。吉本興業所属。8月11日に開催した単独ライブ「菊、あじさい、ハイビスカス」の見逃し視聴動画が8月18日19時半まで配信中(1800円、チケット購入は同日正午まで)。https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/products/lumine-23081119

 《独特の口調でマシンガントークをキメるオタク女子、「丁寧な暮らし」にがんじがらめになっている人、アプリでマッチした相手との盛り上がらないデート。エレガント人生のYouTubeチャンネルでは、そんな「いるいる」や「あるある」を変幻自在に演じるコント動画が人気だ》

 もちろん、ネタとして面白いものをやりたいというのが大前提ではあるんですけど。「こういう人いるよね」っていうところとか、人間の可愛らしさを、面白がれたらいいなと。よく「イジってるんですか」と言われるけど、イジるというよりは、人間の欠点みたいな部分を可愛がれたらという気持ちです。

 自分自身の、何かうまくできないな、人とうまくしゃべれなかったな、みたいな恥ずかしい気持ちを昇華させることもある。特定の誰かをまねするわけではなく、生活しているうちに感じたいろんな人の「あ、ここいいな」という部分を集めて、ひとつのキャラクターを作るみたいな。それは必ずしも美点というわけじゃなくて、「そういう感覚になることあるよね」「そういう言い方しちゃうことあるよね」といった、人からイジられてしまうであろう部分だったりします。

 《山井さんが演じる「自己肯定感が高すぎる美容系YouTuber」は、3年ほど前に生まれた人気シリーズのひとつだ。短いまつげやぼこぼこの肌など「欠点」と言われがちな特徴をことごとくポジティブに言い換え、「私の顔は可愛い」と言い切る》

 あのネタを始めたのは、「自己肯定感」という言葉がはやっているのをキャッチしたということもあるんですけど。もうひとつ、普段から美容系YouTuberの方々の動画を見ていて、「私は目が小さいので」「鼻が大きいので」と、すごく自分のコンプレックスを強調しているように感じていた。なんでそう言わなきゃいけないのか不思議だったんですけど、やっぱり調子に乗ってるとか言われないために、自分から欠点を発信しなきゃいけないのかなと。だったら、むしろ自分の顔のいいなと思うところを発信するYouTuberがいたら素敵だなと思って、自分でやってみました。

 《「自己肯定感が高すぎる美容系YouTuber」は、自分だけでなく視聴者のことも全肯定する。「皆さんお持ちの可愛い顔を用意して」「顔が大きい人は可愛い範囲の広い人、顔の小さい人はお洋服が何でも似合う人」といった調子だ》

 「自分は可愛いけど、何か文句ありますか」という態度は、「自己肯定感が高い」ではないと思う。本当に自己肯定感が身についていれば、人は気にならなくなる。あのキャラクターには、その域まで行っててほしかった。

 「自己肯定感」は自分を支える柱のようなものであって、他人を攻撃する道具ではない。なんなら、わざわざ人に「高い」と言うこともないのかなと思います。

自虐はウケなくなった「今考えるとぞっとする」

 《「自己肯定感」ネタの中には、「自己肯定感が高すぎるおじさんを適当にあしらうパパ活女子」というコントもある。自分の魅力を信じて疑わない中年男性が、パパ活相手の若い女性から褒め言葉を引き出そうとする》

 「自己肯定感」というのは何を指してるんでしょうね。難しいですね。本当にそれぞれの人にとっての「自己肯定感が高い」があるから。

 このおじさんでいう自己肯定…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment