子どもの自殺に関するデータが集約され、省庁横断で分析が行われる方向となった。ただ、集約対象となるデータには収集件数が乏しいものも。効果的な予防策へとつなげるには、なお課題が残されている。
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「4・6%」
10月に文部科学省が初めて公表した数値が波紋を呼んだ。
「これだけか。このままで良いはずがない」。文科相経験者の自民党議員がそう話すのは、2022年度に全国の小中高校が把握できた子どもの自殺者411人のうち、文科省のガイドラインで定められた「詳細調査」が実施された割合だ。411人中19人。20人に1人にも満たない。
ガイドラインによれば、自殺の発生直後、基本的に学校が事実関係の整理のために「基本調査」(自殺全件が対象)を行う。この結果を踏まえ、公立では、学校設置者である自治体の教育委員会が「詳細調査」に進むかどうかを判断する。この調査は、外部の専門家の目を入れ、自殺に追い込まれたプロセスを解明して再発防止策を打ち出すことを目指すものと位置づけられ、「全事案について心理の専門家などを加えた組織で行うことが望まれる」とされている。
文科省によると、詳細調査に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル