神奈川県座間市のアパートで2017年、若い男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交殺人などの罪に問われた白石隆浩被告(29)の第3回公判が6日、東京地裁立川支部であった。検察側は、被害女性に自殺を手伝うと持ちかけた被告が急に金を求めたり、自殺をやめるよう説得したりしていたSNSの履歴を示した。
検察側によると、最初に殺害された神奈川県の女性(21)が、白石被告とSNSでメッセージを交わし始めたのは、17年8月上旬。自殺の手伝いを求めた女性に、白石被告が場所や方法を提案する会話が続いた。だが1週間ほどして、女性から「生きようと思います」と自殺しない意思を示されると、「お金がない」「25万あればうれしいです」と突然、金銭を要求した。女性が口座を確認すると伝えると、「全部ほしいです」。この後は「やっぱり死ぬのはよくない。頑張って生きてみませんか」と励ますようになった。
女性から51万円を預かり、殺害現場となったアパートの契約を2人で申し込んだ日。女性は「お互い生き抜こう」とのメッセージを送った。
同月23日、白石被告は「心配だから連絡して。実家に帰ったの?」と女性の行方を案じるような内容を送信した。女性は同日に殺害されたとみられ、返信はなかった。
検察側は、白石被告は自殺願望のある女性を自宅に誘い、金や性目的で殺害したと指摘。弁護側が訴える同意を得て殺した「承諾殺人」ではなく、「単なる殺人」と主張している。
一方、弁護側はこの日の公判で、女性が殺害される前日、被告以外の人物に「いいよ、殺しても」などとツイッターで発信したことを明らかにした。(加藤あず佐、西村奈緒美)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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