2021年春の千葉県知事選挙をめぐり、現職の森田健作知事が11月12日の記者会見で不出馬を表明した。 【画像】自民党「河上派」VS「石井派」分裂状態 一方で、自民党内での候補者選びが難航しており、千葉県内のみならず永田町でも注目が集まっている。自民党千葉県連は当初、水泳の五輪金メダリストで前スポーツ庁長官の鈴木大地氏を擁立する方向で動いていたが、“土壇場”で辞退が伝えられ、想定外の事態となっているのだ。今後も更なる波乱が予想される千葉県知事選挙。特有の地元事情も絡んだ動向を解説する。
「鈴木大地なら勝てる」と思っていたが…
関係者によると現職の森田健作知事は、不出馬を表明する以前から自民党千葉県連に対し「後継者選びを進めてほしい」と伝達していた。 そこで、自民党千葉県連は水面下で、知事選候補者を模索。白羽の矢が立ったのは、水泳のソウル五輪金メダリストとして広く知られ、今年9月まで5年間スポーツ庁長官を務めた行政経験を持つ、鈴木大地氏だった。自民党千葉県連は10月5日、会長の渡辺博道衆院議員ら幹部が、都内のホテルに鈴木氏を呼び、「懇談」と称して出馬要請に向けた地ならしを行った。 これを受け、千葉県選出の国会議員らは10月14日に会合を開き、「10月中に鈴木氏への出馬要請を正式に決定する」ことを確認した。 その鈴木氏が出馬した場合の対抗馬として想定されていたのが、千葉市の熊谷俊人市長だった。新型コロナウイルスへの対応でも注目された熊谷氏は旧民主党の地方議員出身で、かねてより知事選立候補の意欲があるとされ、42歳という若さと県庁所在地の現職市長という強みを持っていた。その「熊谷氏に対抗しうる候補」として自民党内で鈴木氏への期待が高まっていたのだ。
千葉の自民党は2派閥に分裂
ただここで言及しないといけないのが、千葉県特有の自民党の地元事情だ。千葉県議会の自民党は、県連幹事長の河上茂県議率いる「河上派」と、自民党本部の幹事長代理の石井準一参院議員が率いる「石井派」の2つの派閥に大きく分かれていて、県連幹事長として公認権を持つ河上氏は“県議会のボス”と言われている。 今回の千葉県知事選挙の候補者調整においては、「河上派」が鈴木氏を推す一方、「石井派」は熊谷氏に接近していた。前述の国会議員会合でも、鈴木氏を県連として推薦する方向を確認していたが、石井氏一人だけは反対の姿勢を示していた。渡辺県連会長は「分裂選挙は避けたい」と強調していたが、構図はまさに分裂選挙の様相を呈していた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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