野間あり葉 谷瞳児 東郷隆
総務省が24日に公表した2022年の政治資金収支報告書で、自民党の3派閥が開いた政治資金パーティーをめぐり、記載が義務づけられている収入の一部が記されていない疑いがあることが朝日新聞の調べでわかった。国会では自民5派閥の21年までの収支報告書でのパーティー収入の不記載が追及されているが、最新の収支報告書でも同様の問題がある可能性が出てきた。
自民5派閥の不記載について、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑で東京地検に告発している神戸学院大の上脇博之教授は、24日公表の収支報告書で見つかった3派閥のケースについても規正法違反に当たると指摘。新たに告発を検討するという。
規正法は、政治資金パーティー1回につき20万円を超える券の購入者について、名前や金額を収支報告書に記載するよう義務づけている。朝日新聞は、24日公表の収支報告書で、派閥のパーティー券購入のために20万円超を支出した政治団体の報告書と、派閥側の収入の報告書を突き合わせて調べた。
支出と収入の不一致が見つかった3派閥は「清和政策研究会(安倍派)」「志帥会(二階派)」「志公会(麻生派)」。
清和会では、支出側に記載のある28万円が、収入として記されていなかった。志帥会では、支出側に記載のある40万円、30万円が、収入として記されていなかった。志公会では、支出側には26万円、収入側には24万円と記され、金額が2万円足りないケースがあった。
いずれのケースについても、支出した側は24日の朝日新聞の取材に、パーティー券購入のための支出だったことを認めた。3派閥の事務局はいずれも取材に「事実を確認し、適切に対応する」と文書で回答した。
パーティー収入をめぐり、上脇教授は昨年11月から今年10月にかけて、18~21年の5派閥の計4千万円分の不記載について告発している。内訳は、清和会約1900万円▽志帥会約900万円▽平成研究会(茂木派)約600万円▽志公会約400万円▽宏池政策研究会(岸田派)約200万円で、各派閥は、複数の不記載について収支報告書の訂正を済ませている。
関係者によると、告発を受けた東京地検特捜部はこれまでに派閥の担当者らから任意で事情を聴いている。(野間あり葉、谷瞳児、東郷隆)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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