東京都内で新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がる中、東京パラリンピックが24日に開幕を迎える。その一方で、小池百合子知事はお盆期間中の帰省や旅行をやめるよう都民に呼びかけ、政府は緊急事態宣言の再々延長を決めた。パラを実施する中でさらなる自粛生活を強いることに対し、都庁内からも「知事のメッセージが伝わっていない」と説明責任を求める声が上がる。
「旅行、帰省の計画を立てている方ですが、延期、中止をもう一度改めてお考えください。それから、お考えくださいじゃなくて、もうここは今年も申し訳ありませんけれども、あきらめていただきたい」
お盆期間が始まった13日の定例会見。「人流の5割削減」を掲げた小池知事は都民に呼びかけた。コロナ禍の現状を「最大級、災害級の危機を迎えている」とも表現した。
こうした小池知事の発言は後日、SNS上で厳しく批判されることになる。契機のひとつが、週明けの16日にあった政府、都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会(IPC)4者の代表者協議だ。
開催都市のトップとして参加した小池知事に対し、「帰省はあきらめてと言いながらのパラ開催宣言」「感染爆発は五輪とは無関係と言いながら外出自粛」「五輪やっといてそれは無理」などと矛盾を指摘する書き込みが相次いだ。
人出の公表データ、都民の実感と乖離
批判の根底には、五輪開催が感染拡大につながったとの見方をかたくなに嫌う小池知事の姿勢があるとみられる。
小池知事はこれまで「五輪の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル