自衛隊で、セクハラを訴える女性自衛官の意図に反し、組織の上司が被害者と加害者を面会させ、加害者の謝罪を聞かせていた。対応の問題点について、被害者の心理支援に長年取り組んできた清泉女学院大学の岡本かおり教授(臨床心理学)に聞いた。
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――セクハラ被害を受けた女性が、上司から加害男性との面会を強要され、謝罪を聞くように迫られました。被害者にどのような影響を与えるのでしょうか。
「性暴力は被害者の気持ちや意思が無視され、一人の人間として認められていない状況といえます。被害者の人権は無視されたといっていいでしょう。このことに被害者は大きく傷つけられます」
「そして、謝罪を受け入れざるを得ないような状況は、『させられた』体験といえます。それは暴力を受けた時と酷似しており、性被害の後にもう一度、人権を無視されるという被害の上塗りになってしまいかねません。被害者が再度傷つくことは二次被害と呼ばれ、二次被害は被害からの回復を遅らせることが指摘されています」
「被害回復のためには、被害者の置かれた状況を想像して、被害に遭った方がどうしてほしいと考えているのか、謝罪を受けたいのかを被害者の意思を確認しながら考えるべきだったと思います」
何となく優先される組織の常識や価値観
――被害女性は、これまで度々セクハラを受け、上司に相談してきたが対応されなかったと話しています。結果、セクハラを受けても声を上げないようになりました。性被害者がちゃんと告発できるようにするためには、どのようにするべきなのでしょうか。
「内閣府の調査(2021年…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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