自衛隊基地計画、揺れる種子島 相次ぐ議会の誘致意見書

 馬毛島鹿児島県西之表市)への米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画に伴う自衛隊基地整備をめぐり、近接する種子島3市町の各議会が今月、関連施設を誘致する意見書を相次いで可決した。地元への経済効果を期待して誘致を競い合う声が高まり、基地被害を懸念する反対派との溝が広がっている。

 23日、西之表市議会(定数14)。馬毛島への自衛隊施設整備の促進と隊員宿舎を市内に造ることを国に求める意見書案をめぐり、賛成派の議員が「宿舎は馬毛島を行政区域内に持つ西之表市内に設置すべきではないか」と力を込めた。意見書案が採決されると、7対6の小差で可決された。

 同議会ではこれまで、計画反対の議員が多数だったが、今年1月の市議選で賛成と反対の議員が拮抗(きっこう)。中立を唱えてきた議員が6月議会で「自衛隊機によるデモ飛行の騒音は大きくなかった」と賛成に回り、議決権のない議長を除くと、賛成多数となった。

 基地建設に伴う交付金や地域振興策を期待する賛成派がまとめた意見書では、「このままでは経済効果の恩恵を受けられなくなる」との焦りがにじんだ。

 種子島では西之表市議会に先行して、中種子町と南種子町の議会が今月、商工会の要望を受けて自衛隊関連施設の誘致を求める意見書を全会一致で可決。南種子町の小園裕康町長は、町として施設を誘致する方針を表明した。

宿舎できれば人口増期待できるが

 防衛省は基地建設に伴い、1…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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