舟和の芋ようかん、7年ぶり値上げ サツマイモに起きている変化とは

 東京・浅草の老舗和菓子店「舟和」がこの秋、看板商品の「芋ようかん」を7年ぶりに値上げした。原料となるサツマイモの「紅あずま」が、従来の値段では手に入りにくくなっているためだ。その背景とは。

 「何とか上げずに頑張ってきたんですが、これ以上は無理でした」。舟和の小林寛子副社長は申し訳なさそうに話した。値上げは10月1日から。1本あたりの税別価格を120円から160円に上げた。

 舟和は従来、産地の茨城県などの複数の問屋と年間契約を結び、紅あずまを仕入れてきた。仕入れ値は毎年秋に問屋との話し合いで決めるが、市場でのサツマイモの卸売価格は、10年前より4~5割ほど上昇。舟和も前回値上げした2014年以降、仕入れ値を約5割上げてきた。創業119年の老舗で戦時中を除いてイモの供給が途切れたことはなく、必要量は確保できると考えていた。

 だが、今年1月、大口の問屋から「夏ごろには在庫が無くなるかもしれない」と連絡を受けた。一時、「販売中止の恐れがある」とホームページで告知し、これを知った市場関係者がイモを回してくれ、回避できた。小林副社長は「とてもありがたかった。ただ、仕入れのやり方を変えないといけないと思った」。

変わるサツマイモの生産事情

 紅あずまの不足はなぜ起きたのか。サツマイモの歴史に詳しい狩谷昭男・元いも類振興会理事長によると、茨城県などの生産農家では、紅あずまから、新品種の「紅はるか」への転換が急速に進んだという。

 引き金となったのは03年ご…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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