反社会的勢力の定義
オオシバくん:
芸人さんの反社会的勢力との闇営業問題が、まだまだ注目されているね。
平松デスク:
そうだね。
反社会的勢力というのは、暴力団員や犯罪集団などの総称のことなんだが、実は、定義があるんだよ。
政府は、2007年に反社会的勢力の定義を公表した。
それによると、反社会的勢力とは、
『暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人』
となっている。
分かりにくい表現だけど、この定義に当てはまるような、暴力団員、暴力団周辺者、暴力団のフロント企業、半グレと呼ばれる準暴力団、特殊詐欺グループなどの犯罪集団などは、反社会的勢力ということになる。
反社会的勢力と認定された場合
オオシバくん:
反社会的勢力に認定されるとどうなるの?
平松デスク:
反社会的勢力の中でも、暴力団員や、準構成員と呼ばれる暴力団周辺者については、例えば、銀行業界や不動産業界では、暴力団排除条項というのがあるから、お金を借りたり、口座を作ったり、マンションを借りたりすることはできない。
身分を偽って金を借りたりマンションを契約したら、詐欺容疑で逮捕されるんだよ。
自分が暴力団員であることを隠してゴルフをしても詐欺容疑で逮捕されちゃうよ。
今の日本のシステムでは、暴力団員やその周辺者はかなり肩身が狭くなっているんだ。
難しい線引き
オオシバくん:
でもだれが反社会的勢力か、そうでないかは線引きは難しいよね?
平松デスク:
そうなんだよ。
例えば、暴力団員や暴力団周辺者は、警察庁がこの人は『暴力団員、暴力団周辺者』として登録しているから一目瞭然なんだ。
分かりやすいでしょ。
去年末時点での暴力団員は1万5600人、暴力団周辺者は1万4900人。
逆に言うと、この30500人以外は企業や業界が反社会的勢力と判定しなければいけないのさ。
誰が反社会的勢力かそうじゃないかを、企業や業界が判断しないといけないということ。
これはかなりハードな仕事なんだよ。
そんな、企業や業界でさえ苦労している反社会勢力の線引きを、芸人さん達に求めるのは無理だと思うよ~。
オオシバくん:
企業や業界はどうやって判断しているの?
平松デスク:
色んな業界では、それぞれ反社会的勢力のデータベースを作っていたり、警察庁への照会システムを持っていたりして、反社会的勢力を排除すべく努力している。
企業側にとっても、反社会勢力との取引が発覚したら社会的信用を失うから、かなり一生懸命やっているよ。
【執筆:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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