福岡市の原剛一さん(43)が左目の視野が狭いと気づいたのは36歳のときだった。
福岡市にそば屋を開業して間もない頃だった。原因不明の緑内障で、次第に右目の視力も失った。
子どもの成長が見られないと思うとき、見えない目から涙があふれた。人の笑顔を見たくて飲食の道を選んだ。
失明からまもなく、数年ぶりに酒席で会った中学の同級生が突然切り出した。
「芸人になる」。
40代の無謀な挑戦なのに、うらやましく感じる自分がいた。
家族の反対もあり、2カ月悩んだ。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル