芽生えた人間不信、集団行動への恐怖 不登校で背負った重荷との戦い

 東京都の大学4年の女性(26)は、高1のころ不登校になった。高校を中退し、通信制高校に編入。18歳で卒業した。

 その後、大学に入るまで4年間を要した。

 人間関係づくりに恐怖心を抱き、周囲と距離をとり続ける。関わる機会が少ないままだから、集団で過ごすことに慣れることもない。そんな状態が続いた。

 不登校になったきっかけは、通っていた中高一貫校で、高校に内部進学する直前の春休みの出来事だった。

 自宅でツイッター(現X)を見ていると、自分の顔写真が目に飛び込んだ。小学校の卒業アルバムを写したもので、名前までさらされていた。

 投稿したのは、所属していた運動部の先輩部員のアカウント。女性の容姿をあざ笑う文言が書かれていた。

 教員に伝えると、投稿した先輩は学校に呼び出され、投稿を削除させられたうえ、大学入試で学校推薦を受けられないペナルティーが科された。謝罪もあった。

 トラブルは解決済みとされ、周囲は元通り。その陰で、女性は苦しみ続けた。投稿されたのは、素の笑顔が出たお気に入りの写真。それを否定されたことで「裏ではみんな馬鹿にしている」としか思えなくなった。

 高1の10月、心が限界を迎え、学校に行けなくなった。

女性は、不登校がもたらす影響によって長く苦しみます。不登校の進学・就労への影響を考える連載の前編。社会生活に欠かせない「人との関わり」を巡る経験者の悩みの実態とは。

高校中退直後 たまらなくつらかったことは

 自宅は高校から近く、担任教…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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