若狭の車窓から、青の中一直線 京都丹後鉄道・由良川橋梁

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文・原田達矢、写真・田辺拓也

京都丹後鉄道「丹後あかまつ号」の車窓から望む由良川橋梁(きょうりょう)=2021年10月10日午後2時8分、京都府舞鶴市、田辺拓也撮影

 まるで列車が水面を走っているよう――。真っ赤な橋を渡りきるまで約2分間。その姿を求めて週末に写真好きが集まる。

由良川橋梁(きょうりょう)を走る京都丹後鉄道の車両=京都府宮津市

 田園風景を走り抜け、その橋にさしかかると、列車は時速15キロに減速した。「左手前に由良川橋梁(きょうりょう)でございます」。車内アナウンスを合図に、乗客が運転手席横の小窓に集まる。「うわっ、すごい」。水面から約6メートル。目の前に青が飛び込んできた。カップルで大阪府から来たという小沢卓也さん(42)は、「こんな景色が見られるなんて」と夢中でシャッターを切った。

 若狭湾沿いを走る京都丹後鉄道(丹鉄)の「丹後あかまつ号」は、西舞鶴駅(京都府舞鶴市)から天橋立駅(同宮津市)まで、風景をゆったりと楽しめる観光列車だ。週末は、写真好きの家族連れでにぎわう。若狭湾を望むスポットでは、線路上に停止した列車から撮影を楽しむこともできる。

 「全国最大の赤字路線」。そう呼ばれた時期もあった。1990年から第三セクターの北近畿タンゴ鉄道が運営していたが、沿線人口の減少や少子高齢化の影響で、利用者はピーク時の年間300万人から、2014年には185万人にまで減った。再建のため、15年から運行を外部の事業者に任せる「上下分離」方式が採用された。

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 運行を任されたのはウィラー…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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