英製薬大手アストラゼネカと新型コロナウイルスのワクチンを開発している英オックスフォード大のチームが19日、中間段階の臨床試験(治験)で高齢者からも良好な免疫応答が得られたとする結果を英医学誌ランセットで発表した。開発が順調に進んでいることを示すものだが、有効性の評価は、最終段階の治験の結果とともに明らかにするという。
発表したのは1~3相の3段階ある治験の2相試験の結果。70歳以上の240人を含む健康な560人に、開発中のワクチンか、比較対象として髄膜炎菌ワクチンを投与した。接種から7日以内に一時的な倦怠(けんたい)感や頭痛などの副作用を経験したのは18~55歳で86%、56~69歳で77%、70歳以上で65%。いずれも程度が軽く、ワクチン投与に関連した深刻な病気は確認されなかった。年齢が上がるほど副作用は少なかった。
高齢者は感染すると重症化するリスクが高い。一般的に高齢になると免疫機能は低下するとされるが、今回の研究では、高齢層の間でも若年層と変わらないレベルの抗体反応がみられた。また、1回目の接種から28日後に再び接種を受けた人の99%で、その14日後にウイルス感染を防ぐ中和抗体反応が確認された。ウイルスに感染した細胞を攻撃するT細胞による免疫応答も、年齢層にかかわらず、最初の接種から14日後をピークに高まることが確認された。
論文の筆頭著者、マヘシ・ラマ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル