権敬淑
茶道三千家の一つ、裏千家の今日庵(こんにちあん)(京都市上京区)で7日、新年最初の茶会「初釜式」が始まった。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止しており、2年ぶりの開催。参加者を裏千家の関係者に限り、12日までに計約1100人をもてなす。
会場の「平成茶室 聴風(ちょうふう)の間」には、柳の枝を輪にして長く垂らした「結柳(むすびやなぎ)」や、干支(えと)にちなんで「龍虎」の文字の掛け軸が飾られた。初日は約200人が参加。16代家元の千宗室(そうしつ)さんが濃茶(こいちゃ)を練り、15代の千玄室さんが、裏千家役員を務める京都商工会議所の塚本能交会頭ら招待客に茶を運んでもてなした。
今回は密を避けるため、いすに座る「立礼(りゅうれい)」の様式で、一人ずつに別々の器で出す「各服点(かくふくだて)」で振る舞った。梅を模した恒例の餅菓子「菱葩(ひしはなびら)」も取り分けることはせず、個別に提供した。
約20人との初席を終えた宗室さんは「例のない初釜ですが、今日の時点で最善の工夫をして開けさせていただきました。会えなかった人に会えた。改めて『一期一会』の尊さをもう一度、私たちはつかまないといけないと思います」と話した。(権敬淑)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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