群馬、福島、新潟、栃木の4県に広がり、全国から観光客が集まる尾瀬国立公園で、登山道の整備が課題になっている。尾瀬の代表的な風景とも言える木道に資金が投じられる一方、日本百名山にも名を連ねる燧ケ岳(ひうちがたけ)(福島県)や至仏山(しぶつさん)(群馬県)などの登山道整備は後回しになりがちで、生態系への影響も心配されている。次世代に託すべき道のあり方を探りながら地元関係者らが動き出している。
10月下旬。早朝の冷え込みの中、尾瀬の玄関口・鳩待峠から角材を背負った人たちが至仏山への山道を登っていく。目指すは約3キロ先にある笠ケ岳(群馬県)との分岐点。環境省からの受託事業として地元の尾瀬ガイド協会が一般向けに2日間の日程で開いた初の登山道整備イベントだ。県内外から参加した約20人が標高差約460メートルを歩き、角材160本を運び上げた。
「この先はぬかるみがひどいので気をつけてください」。分岐に到着すると、講師の「大雪山・山守隊」代表理事、岡崎哲三さん(48)が声をかけた。北海道・大雪山を拠点に登山道整備を20年以上続ける「道直し」のプロだ。
ぬかるみが「踏み荒らし」に
分岐から笠ケ岳への登山道は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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