刀を擬人化した大人気ゲーム「刀剣乱舞」の舞台で名刀「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」を演じている荒牧慶彦さん。3カ月のロングラン公演の合間を縫って「古代エジプト展」の朗読会を開くなど、オファーが引きも切りません。漫画やアニメなどを原作とする「2.5次元舞台」の枠を超えて活躍する荒牧さんに、コロナ禍の中でのファンへの思いや、大切にしているものを聞きました。
「古代エジプト展」で音声ガイドナレーター
「創世神話がどんなものだったか、みせてやろう」
暗転した舞台に浮かび上がったのは、古代エジプトのミイラ作りの神「アヌビス」のアニメーション。アヌビスが大きな身ぶりとよく通る声で、観客を神々の国へといざなう。現在開催中の「古代エジプト展 天地創造の神話」(江戸東京博物館、4月4日まで)では、音声ガイドナレーターに加え、会場で流れるアヌビスのアニメのモーションキャプチャーも荒牧さんが務める。荒牧さんの体の動きが、アヌビスの動きに連動しているので、ファンが見ると荒牧さんの身のこなしだとわかるそうだ。SNSに「動きが荒牧くんそのまま」と書き込むファンも。
特別企画の朗読会「オシリス・セト・ホルス~イシスの愛と執念~」では、古代エジプトの神々や案内人など、一人八役を40分間にわたり演じた。女性神も含め全ての声色を使い分けてよどみなく語る姿に、さぞや練習を重ねたことだろうと、終演後に尋ねると「そのとき湧き起こる感情を大切にしたいので、あまり読み込みはしないんです。今回は一度通しで読んで、読みづらいところに書き込みをしたくらい」とさらりと答えた。お気に入りの神は邪悪な「セト」。「正義が正義たりうるのは、悪がいてこそ、ですよね。セトはエジプト神話を盛り上げるうえで、欠かせない登場人物だと思います」。この日は数少ない舞台の休演日だった。「働き過ぎだとファンの方にも言われるけれど、僕はこれが楽しいんです」
取材のテーマである「大切にしている物や事」について聞くと、「あまり物欲がなくて。物には執着がないんです」と最初にひと言。代わりに教えてくれた「私のThe Best!」は「好奇心」だ。「子どもの頃から好奇心が強く、自分の原動力になっている。この世界に入ったのも、好奇心のおかげ」と話す。
学生時代、友人が俳優をやって…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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