少女漫画の枠を超えて、半世紀にわたって革新的な漫画の創作を続けてきた漫画家の萩尾望都さん。東京の松屋銀座で開催中の「デビュー50周年記念 萩尾望都 ポーの一族展」の会場で、創作への思いやこれからの展望を聞きました。
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――数あるなかからお気に入りの原画(1972年の「ポーの一族」からアランが襲われる場面)を選んでいただきました
すごく好きなシーンです。当時は絵もセリフも、思いつくもの全部をスケッチブックに描いていました。このシーンはこうなってる、ふたりはこんな風に顔を近づけてこんな会話をする、と何度も描いていた場面です。
――原稿にするにあたって難しかったことは
頭のなかで考えているときはイメージがどこまでも広がっているんですけど、原稿にするためには、一度まとめなければいけない。このギャップをね、どう埋めるかというので何度も何度もコマ割りをして。ずいぶん省いたコマもあったと思います。これでいいか、これでいこう!と決めてこのような場面になりました。
――セリフはすぐに思い浮かぶのでしょうか
ええ。それはもう、長々と思い浮かぶので、どれだけ省くかということになりますね。
――新作を描くにあたって、昔…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル