蔵出しみかんの出荷始まる 世界農業遺産にも申請へ 和歌山・下津町

【動画】世界農業遺産へ申請決まった「蔵出しみかん」の出荷作業=樫山晃生撮影

 和歌山県海南市の下津町で「蔵出しみかん」の出荷が始まり、作業が続いている。昨年12月に収穫したミカンを木箱に詰めて貯蔵庫に保管。ほどよく水分が抜けることで甘みが凝縮し、酸味が落ち着いてまろやかな味になるという。

 JAながみねによると、同町では約800軒のミカン農家がかんきつ類を生産している。ミカン栽培で有名な有田市など周辺の市町では、傾斜地に石を積んでつくる「石積み階段園」での栽培が400年以上続く。斜面は土壌にも優れ、水はけが良くなるのと日照に恵まれるため、味の良いミカンができるという。

 こうした栽培や貯蔵への工夫を評価し、農林水産省は「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」を「世界農業遺産」への申請を承認した。農業遺産は国連食糧農業機関(FAO)が伝統的な農林水産業とそれに関わる文化の継承や生態系の保護などに取り組む地域を認定する。FAOの現地調査などを経て正式決定される予定だ。

 JAながみねの土谷賢太郎さんは「周辺地域と力を合わせて世界に認められる産地になるようがんばりたい」と話していた。樫山晃生

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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