西見誠一
兵庫県立西宮病院(西宮市)は9日、入院中だった県内在住の80代女性患者に抗不整脈薬を過量投与し、患者が死亡する医療事故があったと発表した。
病院によると、女性には腎不全や発作性心房細動などの合併症があり、以前から透析治療を受けていた。5月中旬、女性は自宅で転倒して大腿(だいたい)骨を骨折し、手術のため同病院に入院。女性が持参した抗不整脈薬「アプリンジン」が切れるため、男性担当医が代替薬として院内にある別の抗不整脈薬「ピルシカイニド」を処方し、入院4日目から投与した。
ところが、同薬は透析患者には減薬投与しなければならないのに、担当医は薬の添付書の注意書きをきちんと確認せず、誤って通常の成人用の量を投与。女性は入院10日目に不整脈の一種である心室頻拍を引き起こし、翌日亡くなった。野口眞三郎院長は「重大な事故を引き起こし、申し訳ない。ご遺族には誠意をもって対応する。再発防止を徹底したい」と話した。(西見誠一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル